心臓をまっぷたつに切ったならば、

『僕はなんだか悲しくなってきちまったよ。いや、悲しいっていうよりは虚しいってやつなのかな。けど、本当のところそこまで悲しくも虚しくもないはずだから、余計に落ち込んじまうんだ。そうなるべきではないはずなのに、感情だけはいうこときかずに自分勝手にあらぬ方向へ走り出すんだから。どうにかできるわけないんだよ。まったく嫌になっちまうよ。僕はただ人肌が恋しいだけなんだ。あの子の細い腕をつかんで抱きしめて温もりを感じられたら、もう安心して死ねるんだけどな。もう何の悔いもないって、きっと思えると思うよ。』