夢追い人

バイトの休憩中に煙草を吸いながら、路上で演奏し終わったバンドマンに群がる女子高生たちを見つめていたら何かが閃いた。
高校生くらいまでの子供にとってはバンドマンとか夢を追う人がとても素敵に感じる。ただ純粋に。
でもバイトや就活なんかを通して社会と自分の関係を初めて意識して考えるようになる時期を通り過ぎると、バンドマンは大変な人に思える。地道な努力は素晴らしいけど、私はそういう人生を送りたくはないし、彼等にある種の哀れみに近い寂しさを感じる。
だけど、その寂しさには夢に向かって努力し続けようとしる彼等への憧れと嫉妬が混じっているから。
子供の頃はそれらのフィルターを通してバンドマンに限らず夢人を見たりはしなかった。
私はまたひとつ純粋な塊を亡くした気がした。