夜中

毎日ただ寂しかった。理由のない孤独があった。言葉にできず、ただ心の中に悶々とうずまく灰色の何かがあった。その時に綿矢りさの「蹴りたい背中」を読んだ。私のそれを一字一句ぴったりと言葉にしてくれたことが、ありがたかった。救われた気がして、一人で泣いていた。その時お前は心配そうにこちらを見つめていた。私にはただ一人お前だけが同情してくれた気がしたんだ。ありがとう。今思い返せば、お前は私が一番成長していた時期にずぅっと一緒にいたのだね。いつも呼べば近くに来てくれた。大切な存在だったよ。もう二度と会えないけど、お前の頭をもう一度なでたいなぁ。